パタゴニア・レース前

今回のパタゴニア・エクスペディションレースは前回開催された3年前の大会に続き、私自身は2回目の挑戦となる。チームイーストウィンドとしては2010年から5回目の挑戦で徐々に順位を上げており、過去2回は準優勝という成績を残している。2013年の大会に私も出場させていただき、原始の自然の残る過酷な環境の中、素晴らしい体験をさせていただいた。

当時はランニングの力をつけようと会社へ走って通勤し、メキメキ力をつけていた頃である。20代前半で子供もおらず、自分のためにお金も時間を割くことができた。パタゴニアは溜めた力を思う存分発揮できる場所であった。そしてその後もイーストウィンドではコスタリカ、ブラジルと各地のレースに参加させていただき、個人的にもオクスファム、タイでのトレイルレース、サンティアゴ巡礼の道走破等に取り組み、20代の有給休暇はほぼ全て海外遠征に費やした。


そう言った背景もあり、パタゴニアへの参戦を決めた。レースへの参加はトレーニング、スポンサーの募集、航空券や宿の手配等様々なハードルがあるが、特に私にとっては日程の確保が一番大変であった。1月から12月までの一年間で割り当てられている有給休暇20日のうち、16日をパタゴニアのために費やした。2月にして、事実上使い切ってしまった。


2月7日に羽田から出発、カナダのトロント、チリのサンティアゴを経由して、パタゴニア地方の玄関口であるプンタアレナスまで約2日間の旅である。9日未明に到着後、基本的には14日まで6日間、1日1ー2時間程度のランニング、マウンテンバイクのトレーニング(慣らし)、装備のチェックや準備に費やした。振り返ると、仕事では海外から空港に着いてそのまま出社するのが普通であるし、子供の世話や妻のことを考えるとこの準備期間が長過ぎて一番辛かった。公式には、下記のスケジュールである。


2月13日午後9時から大会オープニングセレモニー(チーム紹介、関係者挨拶、レセプション等)
2月14日午後9時からキャプテンズミーティング(コース発表、注意事項の伝達等)
2月15日午前11時から午後4時までに各デポ地点に配布する荷物を預ける
2月16日深夜1時、プンタアレナス中心地からバスでスタート地点へ移動。午前6時着。8時レーススタート
〜レース期間〜
2月26日午後2時プエルトナタレスにてレースクローズ。閉会式


夜遅い時間からイベントが始まるのはこの国のカルチャーだろうか。27日にプンタアレナスに移動して荷物を回収し、28日深夜1時過ぎの便でサンティアゴへ移動、3月1日の午後5時過ぎに帰国。