オクスファム・レースレポート

せっかくイーストウィンドとは全く関係ない仲間と100kmものレースに出させていただいたので、記録を書いておこうと思います。今回、私たちは18時間台を目標にしていましたが、19時間9分かかりました。去年の信越五岳で途中崩れたものの、110kmを15時間でまとめていたので距離に対する不安はなかったのですが、長かったです。メンバー全員が都合を合せるのは難しく、一度だけ私以外のメンバーで40km地点から60kmの試走を行っていました。私はぎりぎりまでアキレス腱が完治していなかったので、ぶっつけ本番です。

ルート概要


金曜は朝一の小田急線で小田原へ。今回はHHHW-Leo, Tiger, Pandaの3チームがゆるいサークルとして決起集会という名の飲みや情報共有などをしていました。HHHWの意味は(ハポネス ハピネス ハレルヤ ワッショイ)の略のようですが、未だ不明でメンバーの職場は外資系企業から法律事務所までさまざまです。Leoは日系の資産運用会社に勤めるSさん、投資銀行のGさん、私の後輩の然君、私の4名、TigerはかのUTMB完走者で構成され、実力は3チームのうち一番高かったのではないかと思います。Pandaも同業他社の人たちですが、かなり走り込んでおりその実力は侮れません。サポート隊も3チームについており、車でスタート地点の運動場へ向かいました。


今回参加するのは約200チーム。そのうち半分くらいは制限時間一杯を使って歩こうという雰囲気の人たちです。外国人が、「箱根・富士山だ、イエーイ!」みたいなノリです。


TigerとPandaは9時スタートだったので真っ先にスタート地点を飛び出していきました。私たちLeoは30分遅れのスタートで、後を追います。スタート後、先行するチームを抜きながら徐々に標高を上げて9km先の塔ノ沢にあるエイドを目指します。レース含め何度か通ったことがありますが、この区間が一番暑く、汗だくでした。エイドを過ぎたところでサポート隊に預けていた水を補給し、さらに標高を上げて次は元箱根、芦ノ湖へ向かいます。しばらくトレイルを走っていなかったので、この辺りでやっと感覚が戻ってきました。小田原の標高が100m程、芦ノ湖の標高は723mなのですが、ゴールは山中湖の982mなのでコースは全体的に上り基調です。芦ノ湖の湖畔は何度も走ったことのある快適なトレイルなので、引っ張り気味で走り続けました。後半の方が高低差は大きいのでペース配分が難し所ですが、平坦な前半を抑えていく、もしくは明るいうちに押していく、どちらもありです。私以外のメンバーで試走したときのタイムを参考にペース配分を行っていましたが、湖畔の道を終えるまで若干巻いて貯金を作ることが出来ました。




そのまま平坦な道を仙石原まで進み、いよいよ山岳地帯に入ります。まずは芦ノ湖を囲む箱根の外輪山に登り、稜線を明神ヶ岳へ向かいます。この辺りは2007年のOSJハコネ50kというトレイルレースで走ったのですが、大成功に見えたかの第一回大会は翌年環境団体との折り合いがつかず、中止となっています。その後トレイルは荒廃し、後ほどトレーニングで通ったときは藪漕ぎのようなルートになってしまっていました。さすが環境団体。そしてそのルートをバリバリ使っているオクスファム、謎は多いです。そういえば香港のオクスファムではフランスのスター選手、ジュリアン率いるチームサロモンが優勝、日本の第一人者である鏑木さん率いるノースフェイスのチームが3位という結果を残していました。と余計なことを考えていると、稜線のトレイルでSさんが遅れ気味に。「吐いちゃったよ。胃が食べ物を受け付けないんだよね」と辛そうです。聞くと昨晩、今日はサポーターとして参加してくれている奥さんとの間で喧嘩が勃発したらしく、午前2時まで戦っていたということです。もうすぐ山頂だったのでゆっくり進みましたが、最乗寺へ下り、ここでPandaの背後を捉えました。

最乗寺は約55kmの地点にあり、日も暮れていよいよ後半に入ります。日中走り通して疲労が溜まってくる中、雨も降ってきて、いい感じに燃えてきました。エイドではサポート隊がまだ着いていなかったのでそのままヘッドライトを点けて先行することに。然君はまだ余裕そう、Gさんもスピードは抑え、安定していますが一番準備をしっかりしていたはずのSさんがやはり調子が悪そうです。夜間のレースに備えてカフェインの効きを良くするために一週間、カフェイン断ちをしていたそうなのですが、前夜の夫婦喧嘩の影響か肝心のカフェインを忘れたと。素敵すぎます。


少しグダグダ気味になってきてしまいましたが、そうこうしているうちにTigerを見つけました。どうもメンバーの一人が体調が悪いようです。ここでトップスリーが全てHHHW、3チームのランデブーという状況が生まれます。この過酷な状況で3チーム揃って進むというのは新鮮でした。エイドではカップ麺やスープ、おにぎり等を食べ、サポート隊の声援を受けて進み続けます。夜が更けていくにつれ寒くなってきました。Sさんの状況は相変わらず悪く、顔は土気色、荷物も全て私が持って行くことにします。深夜1時、Tigerは一人調子の悪いメンバーをサポート隊に預け、レースを続けることを決断。ランキング外という扱いになりますが、すごい勢いで抜いていきました。残り20km。夜明けまでには到着したいと思いますが、少し進んではSさんを待つという展開が続きます。Pandaも苦労しているようで徐々に差が開いていきました。そして明け方3時、いよいよ最後のエイドを出発。最後の力を振り絞り、100kmの行程は幕を閉じました。


私は助っ人として参加を決めたものの、これまでの経験を生かし、メンバーと力を合わせ、チームとしては初の優勝という結果を残すことが出来ました。改めて誘って下さった先輩と、参加してくれた然君やサポーターの皆様に感謝したいと思います。


さて、明日はイーストウィンドのトレーニングです。こちらも頑張って行こうと思います。