トランスジャパン選考会#1

朝3時、全国から書類選考を経た三十数名が、
トランスジャパン選考会のために駒ヶ根に集まった。


この空気、四年ぶりである。
昨日に引き続き土砂降りなのがまた、このレースらしい。
僕が2008年に選手として出たとき、一緒に出場していた人たちはほとんどがシード権を持ってスタッフとして働いていたり、
選考会は出ないことにしたみたいで、だいぶ選手の顔ぶれは変わっていた。
そしてスタッフの人たちに挨拶して回った。
配布されたゼッケンを付け、GPSをパッキングして待つ。
そして午前6時にスタート。


最初は市野瀬まで約27kmのロード。
雨は途中から弱まり、中沢峠を2時間と少しで越えて、8時38分市野瀬到着。
よく考えれば全く必要なかったが、チェックポイントがあってスタッフと取材班がいたので、
荷物の詰め替えとか水の補給等をして地蔵尾根へ取り付く。
仙丈ヶ岳へ距離17km、標高差2,000mの登り。ここは長い。
途中から不定期に置かれたチェックポイントの位置を地図に記入していくテストがあったので、
地形図を読みながら淡々と登って行った。
1時ごろに仙丈小屋へ到着して、休憩した後仙丈ヶ岳へ1時56分到着。
マイペースで稜線を南下して、南アルプスらしい鬱蒼としたトレイルを走る。
森林限界が高いので、2,500m位の稜線だとふかふかの苔が生えているから気持ちいい。
4時18分両俣小屋到着。結果はぶっちぎりのトップだった。
地図読みのテストのために、慎重に数人で行動してた人が多かったのかもしれない。


そのまま今度は露営技術(8分以内にツェルトを張る)テスト。
2位以下が来ないので、スタッフ、取材班総勢10人の視線とカメラに耐えながら練習通り四角を決め、
ペグを打ち込む。が、、、入らない!!
時間がないのでちょっと浅いままポールを立てて、ロープを張る。
しかし、今度は地蔵尾根でポールの留め具が外れ、使い物にならなくなっていた。
動揺を抑えつつ、いざというときのために用意しておいた紐を使って応急措置をし、固定をして終了。
9分36秒。ペグを深く打つのと、自在を使って張りを強める時間がなかった。
練習通りには行かないものである。
「こいつ、ぶっちぎりで走ってきた割に大丈夫なのか?」と、微妙な空気が流れる。


気を取り直して、今度は撤収のテスト。4分以内にすべてを仕舞い、出発できる状態にする。
速攻でツェルトをたたみ、変な出っ張り等が無いようバランス良くパッキングしてなんとかクリア。


まだ明るかったが、先ほどの反省を生かして丁寧に(再び)ツェルトを張り、
取材を受けたり、おにぎりとカップ麺を食べてるとやっと選手が到着してきた。
選考会は翌日まで続くので、さっさと寝袋に入って眠る。