「死闘! コスタリカ縦断」TV感想と週末

金曜、仕事が終わって午後8時の放映開始に間に合うよう、ギリギリ友達の家に滑り込み、鍋を頂きながらTVを見てきました。3ヶ月ぶりにコスタリカの映像を見たのですが、めちゃめちゃ面白かったです。笑わせてもらいました。っていうか自分たちの出ている姿は笑ってないと見てられませんね。熱帯雨林から高度4000mの絶景も、再び堪能させていただきました。


我々選手も事前に見ることはできなかったので、カメラクルーが24時間付きっきりで色んな映像を集めていたのは知っていましたが撮り貯めた映像がどう料理されたのかは知りませんでした。2時間の放映枠で、コースの概要からトップチームのレース運び、それから我々日本チームの様子をバランスよく纏めて下さっていたと思います。国内でのトレーニング、インタビュー、オフィスや家でも結構な映像を撮っていましたが、使うのって本当に一部なんですね。最後私たちのチームが押し切って、世界選手権をトップ10でゴールしていたらまた変わっていたかもしれませんが。


という訳で、レースは残り7kmを残して雅美さんがMTBで転倒し、リタイヤしてしまいました。非常に残念です。目の前でメンバーが危険な状態のまま病院に運ばれたあの時、私はとてもレースを続ける気分ではありませんでした。10日間もよく眠ってないし、身体も汗と泥で汚れきって疲れてるし、失格は決まったし、目の前でヨーキさん寝てるし。笑。それに雨が降り出したのを見てキャプテンの、「雅美さんの涙だよ」「悔し涙ですよ(ヨーキさん)」って何なんだその決まりすぎたセリフは!? レース中気づかなかったです!


でも確かに残り3人で続けて良かったですね。あの後雨の中MTBで次のチェックポイントにいくと野ざらしの状態で着の身着のまま夜を明かし、残りのラフティングを消化しました。本当、消化試合という感じで男性3人がボートに乗り込んで反省を話し合いながらゴールに向かうという、グダグダな展開で疲れが出てどうにかなりそうでした。


やっぱり自分が体験しているとこうして思い出を辿ってしまうし、小さなコミュニティにいると客観的な視点というのは分からなくなってしまいます。TVを見た同僚は「クレイジーだ。死んじゃうよ」。「よく生きて帰ってきたな」と言っています。と思っていると、雅美さんに教えてもらった2chでえらい盛り上がっていました。


前編
後編


事実も憶測も玉石混合ですが、いくつかフォロー入れておきたいと思います。まず雅美さんは彼女しかいなかったのではなく、4人の候補から選ばれた精鋭であるということ。彼女は50才だそうですが、日本人女性でこの年齢で、フルマラソンで3時間を切れる人は彼女以外にいないようです。フルマラソンで3時間を切れる人はマラソンランナーのうち、男性で約4%、女性では1%程度。素晴らしい能力を持った人です。スペイン語も多少できましたし、身体能力だけじゃなくて当然レース中休暇が取れなければ話になりません。


また、天下のNHKがヨーキさんのしょっぱなの水中ウンコ事件(失礼)を放映するとは思っていませんでしたが、あれが強烈で彼の凄さがイマイチ出てない! アドベンチャーレースに必要なナビゲーション能力、パドリング等の水系の能力等、本当にバランスよく力を持っている選手です。そんな彼は今年、日本百名山一筆書きに挑戦します。鹿児島の屋久島から北海道の利尻島まで、日本の名山を全て歩いて繋ぐ旅。僕も一部、一緒に歩かせてもらうと思います。


そしてキャプテン田中さん。リーダーシップについて色んな議論がありますが、確かにモチベーションをそぐ達人ではあります。レース中からメンバーに「明らかに足引っ張ってるよね。こんなんじゃ、世界選手権に出る資格は無い」と言ってたらそりゃ事故も起きます。ただし、今更褒めまくるタイプに変貌を遂げてもそれはそれで気持ち悪い。キャプテンの姿勢は昔から分かっていたし、リーダーがハードルを下げてはいけないというのもよく分かります。なので、私は雅美さんが精神的に頑張れるようにフォローできるところはしてました。レースも7日を超えるくらいから私もいっぱい一杯で結構きつかったですが、人はそもそも信頼されて頑張れるものですよね。


翌日の土曜は私の両親が東京に来ていました。母が家にきていたので数週間ぶりに家で昼飯を食べ、夜は父親の65才誕生日&退職記念の夕食でした。テレビは見せない、ビデオゲームや携帯は与えないといったことは徹底し、一方で子供に望む教育を与えてくれたこと、海外へ送り、見聞を広めさせてくれたこと等感謝は尽きません。私自身も家族を持った今、これからも頑張って狩りに出て、妻、息子の分まで餌を取って来ようと思います。