パタゴニア・レース5日目

7kmのMTBライドで明るくなる頃、昨晩カヤックで目指していたCP10に到着。ここも地図から1kmほど離れた場所にあったがほぼロス無く見つけることができた。その後本来のMTBルートに復帰し、丘を越えて対岸にある湖畔まで48kmの行程である。遠くには雪をかぶった山、牧場には走る馬、所々に散らばる民家が見えて気持ちのいい早朝のコースだった。

CP11からは二日間のトレッキングである。トランジションでリタイヤを決断していたロシアチームから生ハムとパン、チョコレートや紅茶の差し入れを頂き、ありがたく頂いた。5日ぶりに口にする暖かい飲み物は心から嬉しかった。


10時半頃準備を終え、出発するとロシアチームのキャプテンが着いてきて熱心に写真を撮ってくれた。4人全員が入った、貴重なショットが撮れた。



今回歩き始めた二つ目のトレッキングセクションは、距離は50km弱、おおざっぱに言うと入り組んだ山脈を横断するコースとなっており、光のあるうちに峠を越えたいと話していた。最初は牧場を横切り、トゥルバを歩き続ける行程である。そのうち標高が高くなるに従って森とトゥルバが交互に出てくるようになり、推奨ルートとヨーキ、田中の現場判断で歩きやすいルートを選択した。このルートファインディングも的確で、いいペースで進むことができた。


しかしここで田口のアキレス腱が痛みだし、目に見えて歩き方が変になっていた。また、ペースも顕著に落ちてしまいこのまま進み続けても峠を越えることは難しそうだった。早めに休めて回復を望むという狙いもあり、薮の中でスペースを見つけ、テントに入った。ヨーキが田口の足をマッサージし、3時間の睡眠を取る。ビバークの際は暖かいダウンのシュラフを使う者が外側に眠ることになっていたが、山北はこの日化繊の寝袋で外側に寝てしまい、深く眠ることができなかった。進み続けることが刷り込まれており、何度も夜中に目が覚め、起き上がっていた。