パタゴニア・レース6日目

暗い中出発。峠への取り付きへ到着するものの、まだ世が開けきっていないためルートが分かりづらく、風雨も激しかったのでテントを張って着の身着のままで停滞を決断。濡れたままテントに入って1時間ほど座って様子を見、明るくなったところで再出発。




風と雨が非常に強く、身体も濡れていたためこれ以上峠で停滞するのは危険だった。そして進み続け、1時間ほどで峠に到着。身体を斜めにしなければならないほどの強風で、すぐに下り始めた。ウェアも濡れており、動き続けなければ体温の維持が難しい状態だったが田口のアキレス腱は回復しておらず、進みやすいトゥルバに入ってもペースが上がらなかった。ヨーキは田口にマッサージとテーピングを施し、山北は田口のザックを背負って進み続けた。




そして午後5時頃、CP12に到着。大きなドームテントが張られており、中では温かい豆料理が振る舞われた。今回の厳しいルート設定とレースを続けるチームの少なさ、そして過去の運営スタイルから、今回も後半のどこかのセクションがキャンセルになるのではないかと考えていたが、CP12でステファンに確認したところ、「どうしてキャンセルになるんだい? まだ時間はあるんだから行ってきなよ」ということ。前を進むアディダスとの差は12時間。3位に位置するギアジャンキーとの差は10時間。田中は「ここからは自分たちとの勝負だ」と話した。山北が別のスタッフと確認したところ、後半のセクションはまず160kmのMTB。そして三日間100km弱のトレッキング、続いて40kmのカヤック、最後に30kmのMTB。レースは今日で6日目が終わろうとしているが、後半の中で数字に入るのは3日間のトレッキング、それも頑張れば2日程度で行けるのではないかというのがスタッフの認識だった。MTBはよほどのことが無い限りタイムが見えるし、カヤックも数時間で終わるから10日以内にゴールできるだろうという考えだった。



MTBに乗り換えて23kmの林道を下り終えると、海岸線を追い風を受けて進んだ。バンに乗ったクルーが追いかけて映像を撮っていたが、約90kmを走り終え、砂浜に入るところで山北が睡眠欲に負け、ビバークすることにした。