コスタリカ・レース3日目

3時頃起床。二日間激しい運動を続けた後、たった1時間半の睡眠で回復するはずは無く、むしろ中途半端に緊張が解けて強烈に疲れが出てきたきもする。起きたところで雨が降ってきた。寝ている間でなかっただけ幸いだ。最初10kmのポーテージがあるために艇を重ねてパドルで運ぼうとするが、身長差や凹凸のある路面でなかなか上手く行かない。結局二人ずつロープを使って引っ張る方法が一番速かった。それでも3時間ほどかかってやっと水路に出ることが出来た。今日の行程はマングローブの生い茂る水路を、潮の満ち引きにあわせてチェックポイントを回るコースである。この日も強烈な日差しが照りつける中、ヨーキさんのナビは冴えて無駄無く動くことが出来た。このコースは全チーム中、イーストウィンドが最速だったそうだ。そして日差しも強烈だった。普段、夏でも足、特に膝から下が焼けることは少ないが、カヤックは足を前に伸ばしているため容赦なく日差しが照りつけて焼けてしまう。すぐにひりひりと痛みが出てきた。


朝から全力で漕ぎ続け、要所要所で土地に詳しい漁師にあったり、同じように迷っているチームと行動を智にしたりして助けられた。我々自身も、地図を読み込み、もっとも効率が良い水路を進むことを心がけた。今回、風を利用するためにセールとカイトを持って行ったが全く出番はなかった。


チェックポイントを全て日のあるうちに回ることができ、さあ水路を遡ってトランジションへ行こうというところで、様子がおかしいことに気づいた。いくら力を込めて漕いでも前に進まないのである。岸に寄ってヘッドライトで照らしてみると、ものすごい勢いで潮が引いていることに気がついた。水路を遡る時間の意識が足りなかったのだ。先ほど間で一緒だった、アディダステレックスが必死に追い抜いて行った横で、我々は全てのチェックポイントをとった安心感と、エネルギー切れにかまけてゆっくり止まって補給をしていた。最後まで気を抜かず、必死に漕ぎ続けるべきだったのだ。


水路が細くなるにつれ水の流れも強くなり、まるで川を遡っているようだった。田中・山北ペアはまだなんとか進んでいたが、ヨーキ・雅美ペアの負担が大きくこれ以上遡ることは難しそうだったので、残り2.5kmを残して上陸し、一本道を辿って歩いてチェックポイントを目指すことにした。上陸後も正確に道順を確認したい田中と、一本しか無い道で正確を期するのは無駄と考える山北・雅美とで意見が割れたが、結局30分かからずトランジションへ到着することが出来た。潮が引くときに遡ることが難しいのと逆に、潮が満ちるときに遡るのはとても簡単なようだった。数時間前に言葉を交わしたアディダスは既に出発していた。私たちはMTBを組み立て、準備を整えて3時間の眠りについた。近くの家のテラスにマットと寝袋を敷いて眠ることができた。