コスタリカ・レース10日目

数チームを見送り、チェックポイントを探しているとき、ふと気がつくと先ほどの馬に乗ったおじさんが一人で現れた。そして合点が行ったような顔をし、また着いてこいという顔をした。このおじさんは何者だろう。そして200mほど移動すると、我々が数時間探し求めていた木の橋に着いているチェックポイントがあった。あっさり見つけることができた。恐らくおじさんは、最初我々を見つけたとき既にチェックポイントをとり、牧場から抜ける道を探していると勘違いしたのだろう。言葉が通じないというのは恐ろしいことだ。そして、先ほど勘違いしたまま着いて行った数チームはどうなったのだろう。私たちはこのチェックポイントをとったことで順位を上げ、10位に位置していた。


ここから先は一本道を進み、キャノピーを終えて最後のラフティングでゴールを目指す。ここまでくれば順位は確定したようなものだ。このままゴールすれば、日本人として世界選手権では過去最高位をとったことになる。ほぼ最下位から10日前にスタートしたのと比較すれば、順位もかなりあげてきた。


しかし、現実は甘くなかった。午前1時半頃、最後7kmを残して、ヨーキ、山北が先導し、田中、雅美が続いて下っていたところで雅美が転倒、意識が危うくなりリタイヤを決めた。不幸中の幸いは、事故後山北が助けを求めに走っていた際、すぐにNHKの取材班と会うことが出来たということだろう。通訳の方の助けや、彼らの持つ通信機器を駆使してすぐに助けを求めることができた。


残った男性メンバーは3人でレースを継続。キャノピーのセクションでサバイバルブランケットを被って夜明けを待ち、置いてあった補給食でエネルギーを繋いで3時間のラフティングを終え、歩いてゴールした。